薄片・研磨片の世界
ギャラリーでは、薄片・研磨片に関係のある情報を幅広くお伝えしていきます。
第5回「身近なもの」
第5回は、私たちの周りに存在する「身近なもの」を薄片・研磨片技術を用いて再現してみました。その姿をお楽しみください。
1. 現代版磨製石器
作製:中村晃輔 (北海道大学)/ 佐々木克久 (アースサイエンス株式会社)
薄片技術を応用して石の包丁、言わば現代版の磨製石器を作製しました。刃の部分には黒曜石(十勝石)、柄には天然素材であるオオシャコガイ化石を使っています。黒曜石(十勝石)はガラス質で非常に壊れやすいので、乾式研磨法を用いて磨き上げました。現代版磨製石器は、薄片技術によって成し得た作品と言えると思います。
作製者からのコメント
刃先に関しては少しの衝撃で割れてしまいます。最初から最後まで気を抜けない作業の連続でしたが、薄片技術の普及の一環となればとの思いで仕上げました。自然が創り出した素材から作り上げた人間の道具、黒と白のコントラストをお楽しみください。 試料提供:大和田朗(産業総合研究所) 野村秀彦(北海道大学)
2. 石のヒメシロチョウ
作製:大和田 朗(産業技術総合研究所)
薄片作製の基礎技術「切断」「研磨」「接着」を用いて作製した石の昆虫作品の最新作です。
作製者からのコメント
化石サンゴの細かい穴に研磨材が入らないように、乾式研磨法で研磨しました。そのため、白く美しいヒメシロチョウが完成しました。